2024.03.06
この春、これまで駐車場だったスペースに新棟が完成し、インターナショナルブランドや、ライフスタイル提案型ブランドなど、約40店舗が仲間入りします。木々や色とりどりの花で彩られた屋外型モールで、自然を感じながら普段とはひと味ちがったショッピングを楽しむことができます。
リニューアルにあたり、自然環境の保護や資源の再活用など、持続可能な社会の実現のためにさまざまな取り組みを行っているイオンレイクタウン。アウトレット活性化推進マネージャーの多和伸晃さんを訪ね、取り組みの内容や思いを伺いました。
多和伸晃さん。2012年に入社し、熊本や武蔵村山、岡山などのイオンモールを担当。2023年からレイクタウンアウトレット活性化推進マネージャーに。趣味は旅行で、転勤が決まると赴任先の旅行雑誌を買い、観光名所や温泉などをチェックするのが楽しみ。
レイクタウンアウトレットの特長を教えてください。
「自然との共生」をテーマに、2011年4月にオープンした屋外型のアウトレットモールです。「和」「実り」「彩り」を表現した3つの街区から構成され、果実を付ける樹木、季節ごとに色づく落葉樹、色鮮やかな花々が通路を彩り、開放感あふれる空間でショッピングを楽しんでいただけます。
2街区の入口でお客さまをお出迎えするのは、廃材を芸術作品としてよみがえらせるアメリカの芸術家、レオ・シーウェル氏が手がけた「水鳥のオブジェ」。他にも、捨てられてしまう素材をリユースして創作した大きな指輪やスプーンのエコ・アートも展示しています。ショッピングの合間に自然やアートに触れることで、自然環境やエコについて考えるきっかけになればと思っています。
レイクタウンアウトレット増床のコンセプトを教えてください。
2023年春から25年にかけて、「ライフ・タイム・パーク」をコンセプトに掲げ、イオンレイクタウン全体でリニューアルプロジェクトが進んでいます。「ライフ・タイム・パーク」は、単なる買い物の場ではなく、世代を超えて人生のあらゆるシーンに寄り添い、豊かな暮らしを提供するパートナーでありたいという、イオンレイクタウンの新たなビジョンです。その一環として、レイクタウンアウトレットは「水」に憩うことをテーマに、ゆったりとした空間で自然に触れながら、リラックスできる場所を目指しています。
レイクタウンアウトレットで愛犬と一緒に買い物を楽しまれるお客さまの姿が印象的でした。
ご近所の方の散歩コースになっているようで、愛犬を連れてインフォメーションや専門店のスタッフとお話しされている様子を私もよく見かけます。アート作品は待ち合わせ場所にもなっていますし、レイクタウンアウトレットが誕生して10年以上がたち、皆さまの暮らしの一部になっていると思うと、とてもうれしい気持ちになります。
増床リニューアルにあたり、環境に配慮した取り組みにはどのようなものがありますか?
一例を挙げると、1.4メガワットの太陽光発電を屋上に設置。これは、約340世帯(4人家族)が1日に必要な電力に相当します。また、レイクタウンアウトレットのサステナブルな取り組みを紹介する壁面には、埼玉県産のクスノキ、クヌギ、スギを使っています。木の温もりを感じられるパネルになったので、ぜひ見てみてください。
他にも、増床工事にあわせて約120本の樹木を移植しました。移植や伐採時に出た廃材は焼却処分するのではなく、チップ化してアスファルトと加熱混合し、舗装材として再利用しています。これによってCO2の排出を抑え、ヒートアイランド現象の抑制にも貢献します。通常の舗装と比べ黒い色をしているので、すぐに気が付くと思いますよ。
植栽がとても立派で、お手入れもたいへんかと思います。
屋外型モールでこんなにも植栽が豊かなのは珍しく、造園業者さんにお願いして月に1回ほどメンテナンスしています。以前、あるテナントの売上げが低迷しました。調べてみると、通路からお店が見えなくなるほど大きくなった植栽が原因でした。
通常なら全ての植栽を切り倒すところですが、視認性を確保できる範囲だけを刈り込むことに決め、枝などの廃材は焼却処分せず、木質アスファルトに変え再利用しました。協力会社からは、環境保全のためにそこまでするのかと驚かれましたよ(笑)
レイクタウンアウトレットだけでなく、テナントも環境に配慮した取り組みをされているのですか?
イオンモール全体がISO14000(環境マネジメントシステムに関する国際規格群の総称)を取得しているため、イオンモールとテナントの従業員を対象に、年に1回環境に関する研修を行っています。また、毎年9月に開催している「エコウィーク」では、テナントさんから提供された使わなくなったハンガーを無料で配布しています。テナントさんも環境に配慮したさまざまな取り組みを行っているので、今後も一緒に協力していきたいと思っています。
今でこそ、SDGsやサステナブルという言葉は一般化しましたが、2008年のオープン当初から、「エコショッピングセンター」をコンセプトに掲げていた点に驚かされます。
※レイクタウンアウトレットは2011年オープン。
当時の社会は、ビジネスの拡大がまだ主流でした。しかし、イオンは1991年から植樹活動をしてきましたし、レイクタウンの開発にあたって地域が求めているものは何かと考える中で「エコ」というコンセプトが生まれたと聞いています。
まち全体のコンセプトでもある「自然との共生」を大切に、ただ営業活動をするのではなく、まちと協力して環境に貢献しようという考えから、モールの名前を「kaze」「mori」に決定。イオンのロゴマークの他に、自然を象徴するロゴマークを新たに採用しました。
イオンレイクタウンが、環境に配慮したサステナブルな活動に取り組む意義を教えてください。
イオンレイクタウンは、年間5,000万人以上が訪れる場所です。プラスチックのカトラリーを紙製に変更するといった取り組みを通じ、お客さまが意識することなく環境に配慮した行動に参加している状況を作れるのは、イオンレイクタウンならではの強みだと感じています。お客さまを巻き込んだ小さな取り組みの積み重ねが、大きな変化になることを期待しています。
今後、こんなことができたらいいなという未来図はありますか?
この近くには、図書館などの公共施設がありません。「ライフ・タイム・パーク」の実現に向けても、学習できる図書館や運動できる施設などがあれば、より個々の人生に寄り添ったサポートができるのではないかと考えています。レイクタウンが誕生したのは2008年。ここに引っ越されて、生まれたお子さんはもう15歳で、レイクタウンがふるさとです。そういったときに、よい思い出を作れる場所としてイオンレイクタウンが関われたらいいなと思います。
最後に、お客さまへメッセージをお願いします。
春には湖の周りの桜が美しく咲き誇り、湖の向こうに沈む夕日もキレイですよ。木々や花が彩る気持ちのいい空間で、四季を感じながらショッピングを楽しんでもらえたらうれしいです。レイクタウンアウトレットが、皆さまの暮らしや人生を素敵に彩る施設であり続けたいと思います。