Meet@LakeTown for green

VOL.36

環境問題とSDGsを楽しみながら体感する2日間
「エコウィーク」で学ぶ未来のライフスタイル

35度を超える猛暑日が続き、ゲリラ豪雨や線状降水帯による水害など、気候変動を肌で感じる人も多いのではないでしょうか。SDGs(持続可能な開発目標)という言葉も日常的に聞くようになり、自然環境やサステナブルな社会への関心が高まっています。

10月5日(土)・6日(日)に開催される「レイクタウン アクトグリーン エコウィーク」(以下、エコウィーク)は、企業、行政、市民が一体となって取り組む大型エコイベント。昨年は、2日間で3万人を超える来場がありました。エコウィークの事務局を務めるピース・コミュニティ・プラン代表取締役社長の堀田晃弘さんと、NPO法人ビーグッドカフェの理事である坂本千春さんに、イベントの内容についてお話を伺いました。

17年目を迎えるエコウィークが目指す姿

「エコウィーク」はどのようにして始まったのですか?

坂本千春さん(以下、坂本)
エコウィークの始まりは、イオンレイクタウンがオープンした2008年にさかのぼります。イオンレイクタウンでは、環境に配慮したショッピングモールとして、オープン当初からエコな仕組みやアクションを「アクトグリーン」として、太陽光発電や壁面緑化などのエコ設備に加えて、エコについて学べる「アクトグリーンルーム」を設置するほか、テナントや地域から廃食油を回収してリサイクルする活動や、廃材や自然素材を使ったエコアートを公開ワークショップで制作するなど、地域の皆さんと一緒に取り組めるエコアクションに取り組んできました。

イオンレイクタウンmoriの「花の広場」には、地域の方々と一緒に制作したエコアート作品が展示されています。モザイク状の壁は、オレンジや赤、白、黄色など、カラフルなペットボトルのキャップ16万個を一つひとつ貼り付けて作った「フラワーウォール」。中央にある最大1.5mあるカラーボール・シャンデリアは、南アフリカ出身の廃材アーティスト、ヒース・ナッシュさんによるもので、シャンプーや洗剤などのプラスチックボトルを花びら状にカットしたものを素材として作られています。

イオンレイクタウンmoriの「花の広場」にあるエコアート作品。
1階部分の60枚あるフラワーウォールは、イオンレイクタウンに買いものに来た親子連れなどがワークショップに参加して制作。1つのパネルを40分〜1時間ほどかけて完成させた力作ばかり。
ヒース・ナッシュさんを招いた「エコアート作品制作ワークショップ」も開催。プラスチックボトルを花形に切り抜き、折り目を付け立体的に形に仕上げていく。完成した花のオブジェは館内に展示され、参加者も思わず笑顔に。

これら一連の「アクトグリーン」とレイクタウンでエコなまちづくりに取り組む埼玉県や越谷市、地域市民などがつながり、地域のエコイベントとして始まったのが「アクトグリーン エコウィーク」です。2008年から毎年開催していて、現在は、行政や企業、市民団体の皆さんとともに、環境問題やSDGs推進への取り組みを広く発信することを目的にしています。

イオンレイクタウンmori 3階の「アクトグリーンルーム」では、イオンレイクタウンの環境への取り組みをパネルで展示している。

「エコウィーク」について教えてください。

堀田晃弘さん(以下、堀田)
コンセプトは、「あそんで、まなんで、身近な自然とエネルギー」です。イオンレイクタウンや大相模調節池、水辺のまちづくり館など、レイクタウン一帯を会場に、30を超える企業、行政、市民団体が集まり、環境問題やSDGsに関するワークショップや工作教室、展示解説など、体験型の企画やプログラムを実施します。幼稚園児や小学生など、小さなお子さんを中心に、どなたでもエコについて楽しんで学んでいただけるイベントです。

「レイクタウン アクトグリーン エコウィーク」事務局を運営する堀田晃弘さん。

坂本
「アクトグリーン」とあるように、受け身ではなく、体験を通して学んでいただくことを重視しています。ワークショップに参加したり、展示を見て話したりするなかで、自分ごととして考えてもらって、「豊かでサステナブルなエコライフ」への具体的なアクションにつなげてもらうことが私たちの目指すところです。

楽しみながら学ぶことで、エコについての理解が深まると話す坂本千春さん。

堀田
最近では、行政や市民団体だけでなく、イオンレイクタウンのテナントさんにも多くご参加いただけるようになりました。プログラムが充実しているので、親御さんから「これが夏休みに開催されていたら、自由研究にぴったりだったのに」とよく言われます(笑)

どのようなテーマを扱うのですか?

堀田
「自然」と「エネルギー」を大きなテーマに掲げ、木育(森林活用/保護)、生物多様性、脱プラスチック、食品ロス、再生可能エネルギー、省エネといったさまざまな内容を扱っています。ちょっと真面目で難しく聞こえるかもしれませんが、どれも皆さんの暮らしに深く関わることなので、楽しみながら身近なこととして学んでもらえるように工夫しています。

子どもたちに大人気!
エコを楽しみながら学ぶワークショップ

人気のワークショップを教えてください。

坂本
例えば「木製ジャングルジムくむんだー」は、子どもたちが木をつかったジャングルジムの組み立てと解体を体験しながら、日本の伝統建築の技を体感するというもの。1時間ほどのワークショップですが、毎回すぐに予約が埋まるほどの人気企画です。

「こしがや木育ひろば/くむんだーワークショップ」の様子。木製ジャングルジムのほか、国産材を使った工作教室やワークショップも行い、森の役割や大切さについて学ぶ。

他にも、埼玉県に生息するアライグマなどの外来生物や、さまざまな動物のはく製展示もおすすめです。動物園では、動物が寝ていたり、隠れたりしていて、観察が難しいこともありますが、はく製なら近い距離でじっくり観察でき、動物の見分け方や外来生物がなぜ問題なのかなどの解説も受けられるとあって好評でした。

「埼玉の多様な生きものを知ろう」の様子。

堀田
カヤック体験、ビオトープでの生きもの観察や水質調査といった自然体験ができるのも、大相模調節池に隣接するレイクタウンならではのコンテンツだと思います。

「レイクタウンボートパーク カヤック体験」では、1人乗りや2人乗りカヤックを用意し、多くの家族連れが体験できる(1艇30分、1,000円(税込))。

今年のエコウィークは「デコ活」とも連携されると聞きました。「デコ活」とは何でしょうか?

坂本
「デコ活」は環境省が推進する取り組みで、2050年カーボンニュートラルと2030年度の炭素削減目標の実現を目指した、環境に優しいアクションの総称です。「エコグッズを使おう」「断熱性能の高い家にしよう」「食べ残しをなくそう」といった、さまざまなアクションを推進していて、アクトグリーンの考えとも共通しているなと感じています。エコウィークでも各ブースで「デコ活」を紹介して、一緒に盛り上げていきたいと思っています。

エコウィークに参加された皆さんの反応はいかがですか?

堀田
エコバッグに絵を描くワークショップでは、最初にプラスチックゴミやマイクロプラスチックが、海の生きものにも影響していることについて説明し、エコバッグを使うことでプラスチックの削減に貢献できることを伝えます。その後、それぞれ好きな絵をエコバッグに描いてもらうのですが、「自分も海のゴミを減らしたいと思って、イルカや海の生きものを描いた」と話してくれたお子さんがいて、こちらのメッセージがちゃんと伝わったんだなと感じました。

「海洋ゴミについて考え、エコバッグを作ろう!」ワークショップの様子。

坂本
最近は学校でSDGsや環境問題を学ぶ機会も多く、お子さんの方が大人以上に知識や関心を持っている傾向も感じています。エコウィークでは子ども向けのワークショップや展示が多いですが、お子さんを通してご家族のみなさんも一緒に学んでいただき、親子で環境問題やSDGsについて話し合うきっかけになってくれたらうれしいですね。

時代とともに変化を続けるエコウィーク

2024年で17回目を迎えますが、これまでを振り返ってどのような変化を感じますか?

堀田
最初の2008年当時は、まだレジ袋が有料化される前で、SDGsという言葉もありませんでした。エコウィークでの取り組みも最初は「リサイクルしましょう」「ゴミを分別しましょう」といった、比較的シンプルなものが多かったように思います。最近は、SDGsの影響もあって、マイクロプラスチックの問題が生物多様性に影響していることや、脱炭素に取り組むことで気候変動を緩和しようなど、それぞれの課題や取り組みのつながりも考えた発信が増えてきました。エコや自然環境について学べる場が増えたり、ゲリラ豪雨などの気候変動による自然災害を多く目にしたりしたことで、環境問題をより身近に感じている来場者が増えているなと感じています。

エコウィークの取り組みは、SDGsと密接に関わっていますよね。

坂本
はい。テーマの「エネルギー」や「自然」という視点では、目標7「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」、目標13「気候変動に具体的な対策を」、目標14「海の豊かさを守ろう」、そして、目標15「陸の豊かさも守ろう」にも当てはまります。また、テナントや企業も、目標12「つくる責任 つかう責任」を意識し、サステナブルな買い物を推進し、できるだけ環境負荷をかけない取り組みをされています。

SDGsには一人では解決が難しい問題でも、さまざまな立場の人が協力することで解決を目指そうという考え方があります。エコウィークのように、行政、企業、市民がパートナーシップを築き、一緒に取り組むアクションそのものが、SDGsの各目標に貢献していると言えます。

昨年実施されたジーンズの切れ端を使った小物づくりの様子。テナント企業によるSDGsに関連した取り組みの展示やワークショップも人気。

今後の目標を教えてください。

堀田
第1回の開催時は参加団体も限られていましたが、現在では多くの企業や団体に参加いただけるようになりました。エコが特別なものではなく、日常の一部として浸透してきているなかで、エコウィークはより多くの団体や企業とともに、エコを盛り上げる存在になりたいと考えています。

坂本
このイベントをきっかけに、身近な自然やエコなくらしに取り組む方がもっと増えて、レイクタウンがより豊かで持続可能なまちになっていったら嬉しいです。ちょっと大げさかもしれませんが、今お伝えしているような環境問題がすっかりなくなったことをみんなでお祝いするようなイベントになることがエコウィークの最終目標なのかもしれませんね。

最後に、お客さまへメッセージをお願いします。

堀田
イベント当日はレイク周辺で「Lake and Peace 2024」も同時開催され、キッチンカーやクラフトビール「越谷水辺エール」なども味わえます。エコについて学びながら、水辺でのんびり過ごすのもおすすめです。エコウィークでは体験型ワークショップや展示、イベントなど、盛りだくさんの内容ですので、ご期待ください。みなさまのご来場をお待ちしております。

アクトグリーン エコウィーク
10月5日(土)・6日(日) 10時〜17時(観覧・参加無料)

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