2024.06.21
5月25日(土)・26日(日)に開催された「レイクタウン防災フェス!2024」。普段なかなか見ることができない特殊車両がずらりと並び、「ほんもの体験!楽しく学ぼう!」をテーマに、防災に関連したさまざまなワークショップを体験できるということで、毎年多くの方が参加する人気のイベント。今年で12回目を迎える防災フェスに参加してきました。
メイン会場となるレイクタウンアウトレットQ駐車場前には、開場前から長い行列ができ、その人気が伺えます。会場に入ると、消防車やパトカーといったさまざまな特殊車両たちがお出迎え。
高性能救助車「ウニモグ」。走破性に優れ、災害現場へいち早く駆けつけ、人員や機材、救援物資などを運びます。
ウニモグをベースに開発された多目的災害支援車も展示されていました。水深1.2m、最大45度の急斜面でも走行でき、通常の排水ポンプ車や電源車では進入できない状況でも活躍するパワフルな支援車です。搭載した高出力発電機で排水ポンプやサーチライトを動かし、災害現場をサポート。
高所作業車の体験乗車や給水車内の水の試飲も行われ、普段体験できないアクティビティに、参加者の皆さんも興味津々。
ドローンの操縦体験では、災害状況をマップに反映させ、人命救助や支援活動をサポートする救援隊パイロットを体感。一刻も早く正確な地図を作製することが、現地の救援活動の迅速なスタートにつながるそうです。
環境省のガイドラインによると、災害時には飼い主の責任でペットと一緒に避難することが原則とされています。そのためには、日頃の準備が欠かせません。こちらでは、ペットの防災グッズの展示や、しつけ体験、さらに、災害時にはケガをしたペットの搬送や治療ができるペットドクターカーも展示されていました。
普段からキャリーバッグやハーネス、リードを使い、慣れさせておくことで、避難時のストレスを軽減できます。また、ペットとの同伴避難ができる避難所を把握しておくなど、大切なペットを守るためには、災害時への準備や心構えが大切だと教えていただきました。
災害時には全国から被災地への電話が集中し、つながりにくくなります。そんなときに活躍してくれるのが、安否情報をやりとりする「災害用伝言ダイヤル171」です。また、スマートフォンや携帯電話の普及により、公衆電話を使ったことのない若い世代も増えています。
こちらでは、公衆電話を使って災害用伝言ダイヤルの使い方を体験できるコーナーが設けられていました。災害時に初めて操作するとなると慌ててしまいそうですが、イベントではスタッフの方が丁寧に教えてくれるので安心。一度でも体験しておくことが、災害時には大きな助けになってくれます。
8つのタイヤで道路や荒れ地はもちろん、水上だけでなく、キャタピラーを付けると砂利道や雪上でも走行できる水陸両用車両「ARGO」。隣接するレイクでは、水上試乗会が行われました。
水に入ると大きな車体がスーッと浮き、タイヤの溝を水かき代わりにして、時速5〜6kmほどで前進。災害時には物資の運搬をしたり、人を対岸に運んだりと活躍してくれます。
イオンレイクタウンmoriの1階、木の広場では、無地の新聞紙を使った簡易スリッパや、90リットルのゴミ袋からカッパ(雨具)などを手作りするワークショップが開催されました。慣れれば、お子さんでも1〜3分ほどで完成させることができ、「こんな簡単に作れるんですね」と驚く親子連れが多く見られました。
冬や夜の避難所は寒く、新聞紙でできたスリッパは保温性が高く、意外と快適。シールやサインペンでお絵かきすれば、自分だけのグッズになるのも楽しいポイントです。
他にも紙を使ったお皿やゴミ袋の作り方も教えていただきました。物資が不足しがちな避難生活だからこそ、身近なもので防災グッズを作れたら、みんなから喜ばれそう。作り方を覚えて、防災リュックに新聞紙やゴミ袋を入れておきましょう。
イオンレイクタウンkazeの1F、翼の広場では、非常食の試食体験、ポータブルバッテリー展示販売、簡易テントの展示が行われていました。「キャンプ用品は、防災グッズとしても活躍してくれますよ」とスタッフの方が説明してくれました。
一昔前と比べて長期保存食はおいしくなり、バリエーションも豊富。ご飯類だけでなく、スープやパン、おでん、チョコバーといったおやつまでそろっています。備蓄食として食べずに保管しておくのではなく、アウトドアや、忙しいときの食事として使うのもおすすめとのこと。
本格的なテントだけでなく、簡単に設営でき、自立するポップアップテントも人気を集めています。親子3人が入れる大きさで、避難所で使えばプライベート空間に大変身。ゆっくり眠れる遮光性の高い生地もあり、予算に合わせてぴったりなものを見つけてください。
消防車が集まる防災体験コーナーでは、高度/特別救助隊による降下救助訓練が行われました。これはアウトレット棟の屋上から要救助者を搬出する訓練で、小さな子どもたちから「がんばれー」と声援があがり、屋上チームと地上チームが連携して救出すると、会場からは大きな拍手が起こりました。
司会を務めた消防士の大河内さんは、中学生のときに起きた新潟県中越地震で活躍する消防士の姿を見て、消防士になることを決意。10年以上の経験があり、いつ救助があっても対応できるよう日々の訓練を欠かさないそうです。
「災害はいつ、どこで起こるか分かりません。ニュースなどで見る災害を人ごとではなく、自分事としてとらえ、備蓄をしたり、防災フェスのようなイベントに参加したりして、防災意識を高めてもらえたらうれしいですね」と話してくれました。
これからの季節は、梅雨や台風による水害が増える時期です。災害対策は、事前の準備がなによりも効果的。毎年行うこの「レイクタウン防災フェス」が、家族で防災について話し合ったり、防災グッズをそろえたりするきっかけになればうれしいです。